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導入事例

PNS (Perfect Network System of Liberty)

コンクリートコンサルティング事業部の強力なサポートで、PNSを用いた生コン製造・品質管理メソッドの完全な構築と本格的な活用を目指す!

案件 PNS導入後のコンサルティング事例
お客様 熊本菱光コンクリート工業 様
システム PNS (Perfect Network System of Liberty)

熊本菱光コンクリート工業(熊本県熊本市、松川勝史社長)はリバティが開発した生コンの製造システム、PNSを2014年11月から導入している。導入以来、同工場ではPNSに組み込まれている骨材表面水率測定機器CONGⅡや単位水量測定機器NACOM等で得られた計測データを解析、得られた貴重なデータやノウハウをもとにPNSを用いた製造・品質管理メソッドの完全な構築と、同システムの本格的な活用を目指している。

その一環として、リバティのコンクリートコンサルティング事業部と連携し、運用実務の指導や、月に一度開催される現場担当者との勉強会など、高品質な生コン製造に向けた、様々な取り組みが続けられている。

 

◆生コン生産技術の完全構築を目指す

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1964年の創業以来、同社は地域の中心的な生コン工場の一つとして地元の社会資本の建設に大きな役割を果たしてきた。

現在では高強度コンクリートの出荷でも実績があり、2009年には工場単独で大臣認定を取得している。同年、この高強度コンクリートを熊本駅周辺で行われた再開発工事のタワーマンションに3000~4000㎥出荷した。また、これ以前にも、ゼネコンと共同で高強度コンクリートの大臣認定を取得しており、CFT(コンクリート充填鋼管)向けに出荷している。

このような背景もあり、同社では骨材ヤードが多数設けられ、様々な環境下におかれている骨材を意識的に用いて、生コンの品質テストを実施するなど、コンクリートの品質管理については従来から高い意識を持って臨んできた。

同工場がリバティのPNSを導入したのは2014年11月。当初は老朽化した操作盤のリニューアルを検討していたが、生コンのより高度な製造管理・品質管理を求める現場の声に松川社長が応えるかたちで、PNSの全面的な導入が決定した。

PNSはリバティが独自に開発したオリジナル操作盤「Alivio」を軸に、品質管理、出荷管理、動荷重などの管理システム、RIによる骨材の表面水率測定機器「CONGⅡ」、単位水量測定機器「NACOM」、コンクリート温度計「LiB―TMI」をネットワークで結び、高品質な生コン製造を実現する総合システムで、水の測定・管理を重視している点が最大の特徴である。生コンを練り上げた時点で、単位水量、推定強度、コンクリート温度を把握し製造管理にリアルタイムで活かすことで、最終的に非破壊試験による全バッチの検査体制の確立を目指している。

 

◆骨材の表面水率測定値を安定させるための様々な取り組み

PNSの導入以降、半年以上にわたって熊本菱光コンクリート工業では、システムによる計測精度の向上をはかるため、リバティと共同で様々な取り組みが進められてきた。中でも特筆できるのが、CONGⅡによる骨材の表面水率測定値を安定させるために行われている、骨材の流れの改善活動だ。

PNS導入以降、熊本菱光コンクリート工業の工場で使用されている全種類の骨材(細骨材3種類、粗骨材2種類)は、全てCONGⅡにより表面水率が測定され、各データが採取されているが、この中でも、最も使用量が多い細骨材(S1・砕砂)の測定精度が特に注視された。

骨材は液体とは異なりまた、貯蔵ビン内の細骨材(SI)が少ない状態でも内部に空気層ができやすくなることから、これをRI計測すると同様に測定精度が下がる事象も確認された。これは設置されている細骨材がフルにあることを操作盤に伝える満空センサーの位置が、経時的使用によってずれて、骨材が少ない状態にも関わらず、フルの状態として計測した場合に起こることがつきとめられたため、常に一定量の骨材を計測できるように、満空センサーの固定化・位置の適正化を行った。この措置により、CONGⅡによるS1の表面水率の測定精度が飛躍的に改善されるという成果が得られた。、貯蔵ビンから排出される際に、常に全量が均等に排出される訳ではなく、排出を繰り返すうちに、内部に空気層が出来てしまうことがある。RI計測器であるCONGⅡの測定領域に、この空気層が被ると、表面水率の測定精度が下がることがS1計測データの集積と解析作業の中で明らかになった。そこで、S1貯蔵ビンにバイブレーターを設置し、リバティと共同で適切な配置と増強模索しながら、細骨材がよりスムーズに流れ落ち、かつビン内の骨材が常に密度がある状態で計測できるように改善がなされた。

 

◆客観的なデータがもたらす様々な成果

kumamot_image00PNSでは他の骨材の表面水率も計測しているが、同社の松川社長はこのことが全体のトレーサビリティをより明確にしていると述べる。「その他の骨材の計測データの精度も常に定量的に確認できるため、課題がより明確になり、結果的に対策をS1一本に絞ることが可能になった」(松川社長)。また、松川社長はPNSを導入したことで、品質管理に携わる社員の意識にも変化が現れた点が見逃せないと述べる。

「システムによって客観的な数値が提示されるため、何か課題が出たときにも、社員は主観に頼ることを止め、提示された数値を基に、そこから原因の追跡調査を行うようになった」。

システムメーカーと工場が、地道な努力を継続した結果、最も端的な成果となって表れた例が、先述の貯蔵ビン付帯設備の改良によるCONGⅡのS1測定精度の改善であるといえる。

こうした傾向は、実際の現場を担う人材にも大きな刺激を与え、業務に好ましい連鎖的な流れが生まれているという。「PNSが導入され、このシステムが成熟されていくことで、業務が合理化され、現場の工程管理と製品管理にかかる人的な負担を軽減していくことも目標にしている」(福島正人工場長)。

現在、同社では精度を安定させることのできたCONGⅡの表面水率測定値を操作盤に連動させ、社内規格に沿った補正を図り、全てのフレッシュコンクリート中の単位水量を計画水量の±10㎏/㎥に管理した製造を実施、フレッシュコンクリートの各性状試験を継続的に行い、データを採取している。

これは、単位水量(許容範囲内)、表面水率の補正=設定値、スランプ(フレッシュ性状)の3つのデータを何度も取りながら、それぞれを連動させた上で、データのばらつきがないように収束させていくという作業を繰り返しているというもの。リバティの村上利憲コンクリートコンサルティング事業部長によると、約1年を経て、かなり収束してきた傾向がうかがえるという。

なお、PNSは暑中、寒中コンクリート対策も一連の開発コンセプトに組み込んでおり、コンクリート温度も常時計測して、データをリアルタイムで同対策に活用することを目指している。「今年度いっぱいをかけて、各種データを集めて、しっかり分析・検証を行い、ノウハウを得て、本格的な活用を目指していきたい」(福島工場長)。これが実現できれば、PNSが目指す、誰が練っても常に同じコンクリートができるという状態に限りなく近づくことになる。村上部長は「これまでの経過では3つのデータのトライアングルは順調に収まってきているため、完成は近いと考えている」と述べている。

また、PNSを通じ良質なコンクリートを製造するための、各種材料配合を適正化し、これまで余剰に用いられる傾向にあったセメントや混和剤などの使用量を抑えることで、トータルコストを削減するといった経営的な効果にも期待が寄せられている。

 

◆分析データに基づいたメーカーとの定期的な勉強会

一方、同社ではPNSで得られたデータを題材にして、より精度の高いシステム構築を目指すべく、月に1度、勉強会を実施している。勉強会には同社の技術担当者に加えて、リバティ側からも担当者が参加し、ユーザー側から提出された課題や質問等への回答、精度向上に向けた提案や討議、講習などが実施されている。今回、S1の表面水率測定で得られた成果も、こうした、ユーザー側とメーカー側の情報の伝達、意見の交換を通じて、成し遂げられたものであるだけに、今後もこうした取り組みが大きな成果を生んでいく可能性は高い。

九州地区においてPNSは2015年5月に原田コンクリート熊本工場、同年8月に同社小国工場、11月に作脤コンクリート東浜工場にそれぞれ導入され、熊本菱光コンクリート工業と同様に、PNSシステムの構築に向けた検証と様々な取り組みが続けられている。

 

※本導入事例は、コンクリート新聞 2016年2月18日号に掲載された記事を加筆・修正したものです。

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