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導入事例

PNS(Perfect Network System of Liberty)

PNS導入モデル工場として、様々な活用シーンを検証。蓄積された膨大なデータをもとに、次世代の高品質生コン製造に挑む!

案件 PNS導入工場レポート
お客様 PNS生コンクリート神戸工場 様
システム PNS(Perfect Network System of Liberty)

 

PNS生コンクリート神戸工場様は、弊社が開発しました生コン管理トータルシステム「PNS(Perfect Network System of Liberty)」モデル工場として、開発当初からご協力・運用して頂き、今年で4年目を迎えました。

そこで今回、PNSの活用状況の検証と、新たに開発中の測定システムを含めた今後の展望などについて、現場の声をお聞かせいただきました。

今回の取材にあたり、PNS生コンクリートの多田孝夫社長様、黒山雅之工場長様、前川忠司技術部長様、並びにコンクリート新聞社様にご協力いただきました。

 

 PNS生コンクリート神戸工場様

 

PNS(Perfect Network System of Liberty)とは

PNSは、弊社が独自に開発しましたオリジナル多機能操作盤「Alivio」を中心に、品質管理、出荷管理、動荷重といった管理システムと、徹底した水の管理を実現する、骨材表面水率測定器「CONGⅡ」、単位水量測定機器「NACOM」をネットワークで結び、算出されたデータをリアルタイムで製造工程管理に活かしていくというコンセプトに基づいて構築された、次世代型生コントータル管理システムです。

また、バッチごとに強度を推定する「強度推定システム」を導入することで、品質管理データをより高度化し、作業性と透明性を向上させることができます。

最終的には『非破壊試験による全バッチの検査体制』の確立を目指し、さらなる改良を続けております。

生コン管理トータルシステム「PNS(Perfect Network System of Liberty)」

◆ PNS特設サイトはこちらから ◆ ( http://www.liberty-kobe.co.jp/pns_web/ )

 

PNS導入後を振り返って

 PNS生コンクリート神戸工場様には、システム導入後、品質にかかわる膨大なデータを収集、弊社と共同で測定精度を検証してきましたが、単位水量測定や強度推定について、良好な成果を得ることができました。

 

◎骨材表面水率測定器「CONGⅡ」

骨材表面水率測定器「CONGⅡ」

CONGⅡによる骨材の表面水率の測定については、細骨材はもとより粗骨材についても高い精度が確認されており、計測データが工場の製造規格の中で標準化されるなど著しい成果を上げています。

CONGⅡによる細骨材の表面水率測定データは、2013年4月の段階で標準化が完了おり、現在、全ての骨材を対象にCONGⅡによる自動測定を実現。標準化以降の検証でも、骨材の表面水率の測定誤差は±0.4%の範囲をはずれないことが実証されています。

 

 

◎単位水量測定機器「NACOM」

単位水量測定機器「NACOM」

PNS生コンクリート神戸工場様のキャブリレーションは混和剤別、セメント別等、使用材料の違いにもきめ細かく対応していますが、特に高性能AE減水剤配合の生コンについては、NACOMで測定・算出された単位水量が、高周波加熱乾燥法による判定基準と比較して、高い精度を示す解析結果が得られています。

また、NACOMで得られた単位水量(水セメント比)と、そこから導き出される推定圧縮強度にも高性能AE減水剤の配合は、より高い相関性を示す結果が認められました。この要因として、高性能AE減水剤配合の生コンは、求められるスランプが18~20など一定の領域に集中しやすいのに対して、AE減水剤使用の一般配合は、土木から建築まで求められるスランプが多様であり、試料となるコンクリートの性状も多様になるため、その分バラツキも多くなるといったことが考えられます。こうした事象をも勘案して、より公正なデータの検証結果を求めるべく、今後も定量的かつ幅広い領域で検証作業を継続しています。

 

◎社内意識の変化を実感

PNSの導入効果は、社員の皆さんの「品質管理に対する意識の改善といったソフト面にも現れた」との評価を頂きました。

社内全体が「目標の単位水量を確保する」という、目に見える明確な目標を持つことで、自ずと良い品質を提供するという意識が生まれ、改めて単位水量がコンクリート構造物の耐久性に大きく影響することを認識し、適正に管理することで「構造体にやさしいコンクリート」を提供しようというのが、PNS生コンクリート神戸工場様の新しいスローガンとなりました。また、このような企業姿勢はゼネコン等の生コンに関わる様々な企業サイドにも波及し、特に単位水量管理については従来よりも高い意識と関心を持ってもらえるようになったとのことです。

 

 

PNSの新たなる取り組みについて

弊社では、PNSの最終目標である『非破壊試験による全バッチの検査体制』の確立を目指すべく、新機能である「コンクリート温度」と「空気量」の計測結果などを、製造工程管理へ応用する試みを進めています。

 

◎コンクリート温度へのアプローチ

コンクリート温度測定器

PNS生コンクリート神戸工場様を含む複数の工場で2014年6月から、コンクリート温度測定器をコンクリートホッパーに設置し、検証を行っています。

暑中コンクリート対策で見られる通り、一般的にコンクリート温度の上昇がスランプに大きな影響を及ぼすような場合、混和剤を使用することで調整を図りますが、PNSではコンクリートの温度を1バッチごとに計測して、混和剤の使用量でスランプを自動的に調整することを目標としています。具体的には、計測されたコンクリート温度データをもとに、必要となる混和剤の使用量を瞬時に自動計算・計量するとともに、動荷重値にその記録を転送、自動混和剤計量システムで、暑中だけでなくコンクリート温度が急激に変動するケースでも、最適な混和剤の使用量を割り出し、より高度な製造管理を可能とするものです。現時点の検証結果から、温度の計測結果や測定器の耐久性といった点で順調な結果が得られています。

 

◎空気量へのアプローチ

コンクリート温度と同様に、瞬時に空気量データを製造工程管理に活かすシステムの構築については、RI法と体積法によって空気量を算出するアイデアをベースに、専用の空気量測定器を開発、試作品を現在1工場様に導入して頂き、精度検証を進めています。今後は、他のシステムと同様、試験例を増やして、製品化を進めています。

 

◎スランプ推定システムについて

弊社ではPNS完成の最後の目標として「スランプ推定システム」の開発を掲げています。すなわち、スランプに影響を及ぼす「単位水量」「細骨材率」「空気量」「コンクリート温度」「混和剤使用量」などの各データを集積・統合することで、自動的にスランプを推定するというものです。本システムを導入すれば、ユーザーの求める要求品質を生コン工場が自ら提示することが可能となり、生コン製造・品質管理の合理化が図れます。

 

弊社では、PNSを主軸に、コンピュータシステムと測定機器のネットワーク化による、高精度な製造体制を確立し、生コン業界の高度化、透明性の拡大、地位向上に寄与するべく、さらなる開発と積極的な事業展開を図って参ります。

 

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