導入事例
PNS(Perfect Network System of Liberty)
将来を見据えてPNSを採用!より安定的な製造工程を実現し、安全・安心を生コンを提供する!
案件 | PNS導入工場レポート |
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お客様 | 都城生コン 様 |
システム | PNS(Perfect Network System of Liberty) |
◆都城生コン様について
都城市は、宮崎県のほぼ南西端に位置し、宮崎市に次ぐ県内第2の人口を擁する。当地で昭和42年から操業を続ける都城生コン(田中篤社長)は県内有数の老舗プラントの一つだ。田中社長は同社が所属する都城地区生コンクリート協同組合の前理事長であり、20年以上にわたって理事長を務めたことからもわかる通り、エリアでは常に中心的な役割を担ってきた。一方で同社は、将来の方向性を見据え、様々な業務の高度化・合理化のための改善にも注力している。
◆PNS導入経緯
PNSを導入したのは昨年の8月からだが、同社はもともと20年来のリバティの品質管理システムのユーザーでもあった。同社の品質管理責任者を務める岩部健一取締役工場長によると、設備の更新期にあった同社は、今後に向けて一層の品質の安定と高品質化を目指していくという方針にあり、「その方向性がPNSのコンセプトと合致したため、上田社長の熱意にも動かされ、今回の導入に至った」とのこと。操作盤をAlivioに替えるのと並行して、骨材表面水測定機器「CONGⅡ」、単位水量測定機器「NACOM」、品質管理システム、出荷管理システム、動荷重システムを新たに採用した。地域の骨材事情は、細骨材は、天然砂を使用しているが、「過去には最適な品質を得るために、粒度の調整で足繁く工場に通ったこともある。やはり一定の品質を確保するには、相応の努力が必要になる。一方で今後は天然ものが枯渇して、骨材事情が厳しくなるため、ますます品質確保のための努力が大切になる。将来、仮に砕砂を使用することになれば、それだけ水や混和剤の管理も難しくなるため、今回のPNS導入に踏み切った」(岩部工場長、以下同)。導入にあたっては経済産業省のものづくり助成金・補助金の適用を受けている。
◆データ分析
工場として目指すべきゴールを設定して、昨年8月以降、PNSで得られた各データの収集と、計画配合値とのつき合わせ等の分析が行われているが、経過は順調で、PNS完成に向けて6割程度の進捗率である。「夏季、冬季も含めた1年単位のデータを採って、充分な分析を行い、自信を持って製品にフィードバックしていきたい」。
◆優れた操作性
岩部工場長は宮城県にJVで設置された復興プラント(本吉プラント)にも延べ1年間、赴任していたが、復興プラントでも、PNSのコンセプトに基づいた品質管理が採用されており、ここに導入されていたAlivioの操作も体験している。「実際にオペレーティングをしてみて、画面が見やすく、操作性も良かったため、この点も採用の判断基準になった」。
◆製品の品質と技術力の向上が重要な鍵
同社のミキサは他工場が強制練りミキサを採用する中、傾胴型ミキサ(1.5㎥×2基)を導入している。これは納入先の多くが土木現場で、スランプの小さい生コンの製造が多いため、自然落下を利用し製造出荷の効率を考慮したものである。近年は年間2万2000㎥を出荷しているが、PNS導入後、製造・出荷は一層安定的に遂行されているようだ。「建設業などとの兼業社とは異なり、弊社は生コンの専業企業である。事業を展開する上で、製品の品質と技術力の向上が、将来生き残るための重要な鍵になる。現状、生コンは28日経たないと強度の保証が出来ないが、PNSの最終目標である水の徹底管理や練り上げ時点での強度の推定などが出来れば、ユーザーにデータを提示でき、安全・安心というメリットの提供も可能になる」。
◆生コン工学に基づいた製造メーカー
システムの導入で、誰が練っても同じ品質が提供できるというコンセプトも評価されているようだ。「これまで生コン業は経験者の熟練度に頼った『生コン道』に基づいた『生コン屋』といった趣きがあったが、これからは『生コン工学』に基づいた『生コンメーカー』になっていかなければならない」。
◆リバティのサポート体制
リバティに対しては「業界のトータルプロデューサー的な位置づけを目指している点が良いと思うし、つきあいやすい」と述べる。「現場の『こうしたいんだ』という声にダイレクトに応えてくれる姿勢が好ましい。メンテナンスについても、リモートメンテナンスシステムによるサポートの提供を受け、かつ、必要な折は迅速な対応もして頂いている。将来的にはさらに各種主要資機材の供給も手がけて、より一貫性の高いサービスを提供していくという方向性にも期待したい」。
◆将来に向けた同社の様々な取り組み
現在、エリアでは国土交通省発注の都城・志布志道路や2011年の新燃岳噴火に伴う砂防堰堤などの大型工事がある。一方で同社は宮崎工組との共同による新燃岳の降灰を細骨材の代替にした火山灰コンクリートの開発や、1DAY PAVE、防草を目的としたポーラスコンクリートなどの製造出荷にも取り組んでいる。「生コンの品質や技術を重視するユーザーから、地域のなかで真っ先に名前を挙げてもらえるような立場を目指して今後も努力を継続していきたい」。
※本事例は、コンクリート新聞2018年1月11日号に掲載された記事を加筆・修正したものです。